「一杯のコーヒーの長い道のり」

 

コーヒーは、長い道のりをかけて、私たち消費者のもとへ届きます。

 

コーヒーに携わる者として、少しでもそのストーリーをお伝えできれば幸いです。

コーヒーは、種子です。
パーチメントと呼ばれる種子の外側にある殻がついた状態で種を蒔きます。
ゆっくり時間をかけて成長し、苗木となり、肥沃な土壌に定植していきます。
畑を耕し、土を肥やし、良いコーヒーを育てるための作業を惜しみません。

コーヒーは白色の花を咲かせます。
農園全体は、白色の世界へと姿を変えていきます。ほのかにジャスミンのような香りが、
あたり一面を漂わせてくれます。
花は、2~3日でしぼみ、そこから結実をつけて赤く熟していきます。

コーヒーは、サクランボのように赤く熟すことから、「コーヒーチェリー」とも呼ばれます。完熟したチェリーは、糖度20度以上にもなり、生産者の手によって一粒、一粒
丁寧に収穫します。

コーヒーウォッシングステーション(CWS)
では、農家からチェリーを買い取り、
精選・乾燥・選別・保管・運搬まで行います。

(CWS:農協組合)

農家から買い取ったコーヒーチェリーは、巨大なタンクへ集められます。

集めたコーヒーチェリーは、パルパー機
(果肉除去機)と呼ばれる機械で、外皮を
取り除きます。

ここで果肉除去した種子はパーチメント豆
と呼ばれます。
除去した外皮は捨てられることなく、堆肥
として活用されます。パーチメント豆は、
水路を通り、比重によって豆のグレードが
格付けされていきます。

格付けされたパーチメント豆は、グレードごとに水槽の中で12~18時間程発酵処理をします。その後、水路を通り、水洗いしていきます。

屋根付きのアフリカンベッドで
季節労働者の女性達の手によって、丁寧に
選別(ハンドソーティング)を行います。


この選別作業は、コーヒーの味に影響を及ぼす虫食い豆や未完熟豆を取り除き、コーヒーの
品質を上げるための大事な作業です。

そして選別後、
アフリカンベッド(天日乾燥棚)に運ばれ
ます。
そこでは、パーチメント豆を約2週間かけて乾燥させ、水分値を11~12%まで調整します。

ドライミル工場では、巨大な脱殻機で
パーチメント殻を剥ぎ、スクリーンサイズ
(生豆の大きさ)や比重により選別され生豆

(グリーンビーンズ)になります。
選別が終わった後にも、季節労働者の手に
よって丁寧に欠点豆(虫食い豆、未完熟豆、
死豆、異物など)を取り除きます。
欠点豆が混入すると、焙煎後の味や風味に
悪影響を及ぼします。

一杯のコーヒーは、並々ならぬ
手間と労力によって、作られるのです。

 

そして、消費国へ輸出されていきます。

生産国で大切に育てられたコーヒーは、
輸出業者、輸入業者を通じて、我々ロースターのもとへ届けられます。
私たちDEER COFFEE ROASTERYでは、
生産者が大切に育ててくれたコーヒーを、
さらに価値のある良いものにして消費者へ届けたいという想いから、生豆の状態を見て欠点豆を除去、豆の個性を最大限に引き出し、
香り高く焙煎します。

そして、できた一杯のコーヒー。

それは、コーヒーに関わるすべての人々の想いが詰まった貴重な一杯なのです。